
こんにちは、EC村長です。
ネット通販で年商1億円を目指す小さな小売店を運営しています。

村長~!古着が流行っているけどセレクトショップで古着を取り扱うのってアリかな?
セレクトショップで古着を取り扱うメリットとデメリットを解説するね!

古着ブーム、ヴィンテージブームが到来して数年経過しました。
村長の肌感ですと今が最高潮なのではないかと思いますが、廃れるにはまだ早く、古着ブームはあと数年は続くのではないかと推測しています。
古着が流行っている今、セレクトショップでの古着の取り扱いも増えてきました。
古着の魅力は、幅広いジャンルや1点ものという希少性、独特なデザイン、手頃な価格から高額ヴィンテージなど多岐にわたります。
しかし、古着を取り扱う際にはデメリットや注意点もあります。
今回は、セレクトショップで古着を取り扱うメリットとデメリットについて解説します。
セレクトショップを開業したい、古着を取り扱いたい、古着について知りたい、そういった方に読んでいただきたい内容になっています。
当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。

今はセレクトショップを経営しているけど、昔は古着屋をしていたよ。
古着の良いところと悪いところを書いていくね。
セレクトショップで古着を取り扱うメリット

古着をセレクトショップで取り扱うメリットや狙いは店舗ごとに異なる部分もあると思います。
今回は一般的なメリットを3点紹介します。
デザインやジャンルの選択肢が豊富

古着を買い付けるディーラーや古着の卸会社は多数存在しており、それぞれ得意な分野が異なります。
ジャンルが豊富にあるので選択肢の幅が広く、魅力的な商品を見つけやすいというメリットがあります。
セレクトショップのコンセプトに合わせた高品質な古着を取り扱いや自社にしかない古着のリメイク商品を取り扱うことにより、一般的な古着屋との差別化を図ることも可能です。
取扱いブランドと親和性のあるジャンルの古着やヴィンテージを取り扱うと顧客の購入率も上がる可能性があります。
1点ものや希少性で集客ができる

セレクトショップで販売している多くの商品はネット通販で買える商品になります。
そういった商品は来店動機になりにくいので都市部に店舗を構えていない限り、取扱い点数を増やしても売上に繋がることはほぼありません。
自社でしか販売していない商品や欲しくても購入できないような人気商品を準備する必要があります。
古着は良くも悪くも1点ものなので希少性があり集客ができる場合がありますが、同じような商品があるのも古着です。
希少性を掘り下げることと、価値を乗せることが集客の鍵になります。
掛け率が低い

古着の魅力の1つに掛け率の低さがあります。
セレクトショップで取り扱っている商品の掛け率は一般的に60%ですが、古着は10%~60%程度と幅があり自分で値付けができるのでコントロールが可能です。
村長が古着屋を経営していた頃は30%~40%でした。
仕入方法には重さで購入するベール仕入と1点1点選んで仕入れるピック仕入がありますが、セレクトショップで取り扱うのであれば高品質な古着を1点1点仕入れるピック仕入一択だと思います。
ピック仕入はベール仕入に比べると掛け率は上がりますが、無駄なく良い商品を仕入れることができるのでピック仕入がオススメです。
セレクトショップで古着を取り扱うデメリット

セレクトショップで古着を取り扱うにはデメリットもあります。
デメリットを3点ご紹介します。
古着の知識が必要

古着を取り扱う際に最低限必要になるのは古着の知識です。
セレクトショップのコンセプトに合った古着や取り扱いブランドとの親和性が高い古着を選定するには知識が必要です。
具体的には商品の歴史や生産背景、年代における商品の特性や市場価値です。
例えばミリタリーシャツを仕入れる為の知識は、いつ頃のどこで作られて、どのような人が着用していたのか、○○年代まで素材はコットン100%だったが、それ以降はコットンポリに生地が変更されており、コットン100%のミリタリーシャツは希少性が高く市場では○○円で取引されている。などといった感じです。
色や形やデザインで購入率を上げるのは限界があるので、古着の知識を蓄えて市場価値が高い古着を仕入れることが成功に繋がると思います。
品質やサイズの不安定性

古着は商品の状態が良いものもあれば悪いものもあります。
ベール仕入の場合は状態が良いものも悪いものも含まれているので、販売できないものは修理をするか破棄するかを選べますが、ピック仕入の場合は1点1点選んでいるという特性上、ピックする際に良品か不良品かを判断する必要があります。
生地は伸びたり縮んだりしているのでサイズ表記もあてになりません。
仕入の際は商品の見た目や独自の計測方法を用いてサイズを素早く判断する技術も求められます。
また、ジャンルによっては偽物が混ざっている可能性もあります。
ご自分で判断できる場合は問題ありませんが、偽物の判断が難しい商品もあるので信頼できる卸会社を選ぶことも重要です。
1点ものなのでネット通販に向かない

ネット通販のメリットは1つの商品ページで何枚も販売することです。
古着は1点ものなのでネット通販のメリットを活かすことができません。
古着屋の場合はそもそも1点ものしか取り扱っていないのでネット通販でも1商品ページで1点販売するのが普通だと思いますが、セレクトショップは1商品ページで10枚売るというのもザラにあります。
セレクトショップを運営している目線で見ると、1点ものをネット通販で販売することが非合理的だと感じると思います。
古着取り扱いのポイント
信頼性のある仕入先の選定

自社のコンセプトに合った古着を仕入れるためには仕入先の選定が重要です。
古着の卸業者にはそれぞれ得意とするジャンルや価格帯があります。
また、ベール仕入に特化している業者もあれば、ピック仕入に特化している業者もあります。
現在も存在しているか分かりませんが、海外に古着のバイヤーを常駐させて小売店からの注文を受けて買付けるといった業者もありました。
仕入れたい商品を適正価格で販売している、信頼できる業者を選定する必要があります。
ターゲット層の特定とニーズの把握

セレクトショップで古着を取り扱う場合は自社のターゲット層に刺さるような古着を準備する必要があります。
顧客の年齢層やスタイルを今一度見直して、顧客が購入したくなるような古着を把握します。
古着は買付けをして販売するという通常の流れもありますが、リメイクやリサイズなどをして販売することもできます。
リメイクやリサイズを生業にしている業者もありますので、アイディア次第では自社にしかない特別な商品を作ることができる可能性もあります。
在庫の回転率と古着市場のトレンド分析

セレクトショップも古着屋も成功するには在庫の回転率を上げることが重要です。
回転率を上げるには需要の高い商品を仕入れる必要があります。
ただ、売れる商品を仕入れているつもりでも、どうしても売れない商品が出てきます。
売れない商品や販売期間が過ぎた商品は値引やイベントなどをして捌く努力が必要です。
特にシーズン商品は『寒くなったらまた売ろう』という考えではなく、できる限り短い期間で売上にすることが重要です。
古物商許可証の取得
古物商許可証とは

古物商許可証とは、法人・個人が古物営業法で決められている古物を売買または交換する際に必要なる許可証です。
古着を販売する際に必要な許可証になります。
古物商許可証を未取得で古着を取り扱っている場合は「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられる可能性がありますので、古着を取り扱う際には必ず取得するようにしましょう。
取得方法と費用

古物商許可証の取得は、警察署に申請書類と必要書類を提出して審査を受ける必要があります。
必要書類は住民票や身分証などで、ネット販売をする際は追加の申請書類があります。
費用は約20,000円で、管轄の警察署によって支払うタイミングは違うようなので、いつでも支払えるように準備しておく必要があります。
警察署に古物商許可証の申請書類を取りに行く際に必要書類などの説明がありますので、古物商許可証の申請について不安なことがあれば窓口の方に直接聞くことをお勧めします。
犯罪歴がある場合や営業所がない場合は古物商許可証を取ることはできませんので注意が必要です。
まとめ

今回はセレクトショップで古着を取り扱うメリットとデメリットについて解説しました。
以下、簡単なまとめです。

古着は選択肢が豊富で掛け率も低いのがメリットだね!

良いものを仕入れるには知識が必要になるよ。
ネット通販に向かないのもデメリットだね!

良い仕入先と出会うことが一番重要だね!

古物商許可証は古着を取り扱う上で必ず取得しなければいけないよ。
取得までに1カ月~2カ月程度かかるから古着を取り扱う場合は早めに申請しよう!
セレクトショップで古着を取り扱うメリットとデメリットでした。
店頭販売主力のセレクトショップは古着の1点モノや希少性という特性から集客が可能だと思います。
一方で、ネット通販主力のセレクトショップは1商品販売するのに時間と労力を使うため、非効率に感じる部分も多いと思います。
自社に合った販売方法や効率良くネット販売できるような仕組み作りが重要です。

古着の取扱いにはメリットもデメリットもあるから、古着を通して何がしたいかを明確にするのが大切だよ。
以上、村長でした。
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