
こんにちは、EC村長です。
ネット通販で年商1億円を目指す小さな小売店を運営しています。

「セレクトショップを経営して学んだことを紹介するシリーズ」だよ。
今回は「販路が少ないと売上が伸ばせない」について書いていきたいと思います。

インターネットの普及によってセレクトショップの販売方法も多様化しました。
販売方法が多様化すると、お客様の購買行動も多様化します。
当たり前の話ですが、多様化に対応しなければ売上を維持することができずに廃業していきます。
今回は、【セレクトショップを経営して学んだこと】販路が少ないと売上が伸ばせないについて解説します。
セレクトショップを開業したい、セレクトショップを経営している、そういった方に読んでいただきたい内容になっています。
当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。

実体験に基づいた内容だよ。
全てのセレクトショップに当てはまらない可能性もあるのでご承知おきください。
販路の重要性

販路は複数あるのが望ましいです。
販路の重要性をお客様目線と店舗目線で考えてみます。
お客様目線

お客様が店頭に来店する理由は「実際に見てみたい」「試着したい」「今日欲しい」のどれかになります。
購入したい商品に不安があるか、すぐに使いたいという悩みがなければ来店する理由はありません。
これらの悩みが店頭販売で解決することができますが、逆にいうと、この悩みが解決されているのであればわざわざ店頭にいく必要はありません。
また、店頭で「実際に見てみたい」「試着したい」という不安が解消された場合、そのまま店頭で購入する流れになる場合もありますが、後日ネット通販で購入する場合もあります。
これも試着したセレクトショップのECサイトで購入してもらえればいいのですが、Yahoo!ショッピングユーザーや楽天市場ユーザーの場合はセレクトショップがお客様の普段使われているECモールに対応していないと接客だけして売上は他店舗へ流出する可能性があります。
お客様は自分勝手ですので、その行動を予測して店舗が対応するしかありません。

店頭で試着して「Yahoo!ショッピングから買って良いですか?」と言われることもあるよ。
店舗目線

店頭販売だけだと大雨や大雪など天候によって来店数が左右されます。
ネット通販(ECモールを含む)に力を入れていれば天候などに売上が左右されることはありません。
ECサイトの他店舗展開はネクストエンジンなどの在庫一元管理システムを利用することで、簡単に在庫連携を図ることができます。
各店舗毎に在庫を準備する必要がないことや在庫連携を手動で行う必要がないので、とても効率が良いです。
また、店頭に来れられたお客様がYahoo!ショッピングユーザーや楽天市場ユーザーの場合も自社のECサイトで購入する導線が確保できるので売上の流出もありません。
売上の最大化を図る点でも、売上の流出を止めるという点から見ても販路を増やすというのは合理的です。

小さなセレクトショップが生き残るにはECサイトの多店舗展開は必須だよ。
販路の種類

セレクトショップの販路を簡単に解説します。
主な販路は4つあります。
店頭販売

店頭販売はどこの店舗でもあると思いますが、店頭販売の中で販路を増やすということを突き詰めていくと決済方法の充実が挙げられます。
現金決済、クレジットカード決済は一般的だと思いますが、電子マネーやQRコード決済などは利用者が多い割にはセレクトショップでの対応は進んでいないように思います。
多様な決済方法に対応することで購買のハードルを下げることができるので、決済方法が少ない場合は決済方法を増やすことをお勧めします。

PayCAS Mobileはソフトバンクグループが運営するマルチ決済端末です。
各種クレジットカード決済の他にApple Pay や Google Pay、交通系ICなどの電子マネーやPayPayや楽天ペイなどのQRコード決済など幅広い決済に対応しています。
持ち運びもできる決済端末なので、店内だけでなく野外のイベント会場などでも利用することができます。
PayCAS Mobileの決済端末は78,800円(税別)ですが、現在はキャンペーン中となっており端末費用は無料です。(※2024年7月現在)
月額料金は1,980円(税別)で、月額料金には決済する際の通信料金が含まれています。(※野外でも利用できる通信料金)
決済手数料は村長が調べた中では一番安く、VISAで2.8%、JCBで3.24%、QRコード決済も2.8%~となります。
PayCAS Mobileを導入するだけで幅広い決済に対応することが可能ですので、決済方法を充実させたい場合は導入を検討してみてください。
ネット販売

ECサイトの多店舗展開はセレクトショップを成功させる1つのポイントです。
ECサイトの多店舗展開をすることで販路は確実に増えます。
多くのセレクトショップがECサイトの多店舗展開をしていません。
モール販売禁止などのブランド側の都合もあると思いますが、多くの場合は自社ECサイトが売れていないことが理由だと推測できます。
ある調査機関の調べによるとECサイトの平均月商はおよそ10万~15万前後だそうです。
ECサイト全体の50%以上は月商30万以下で、月商100万以上のECサイトは全体の10%ほどと言われています。
自社ECサイトはどのセレクトショップも運営していると思いますが、思うように売れていないのが現状で、ECサイトの多店舗展開をするメリットを感じられないのではないかと推測できます。
まずは売れる商品ページを作成して自社サイトの売上を伸ばしてからECサイトの多店舗展開をしていくことをお勧めします。
イベント出店

特定のジャンルや人口の多い都市などではイベント出店なども有効です。
ターゲットが多く集まるイベントに出店することで大きな売上が見込める場合があります。
また、フリーマーケットでB品や不良在庫を買いやすい価格で販売するのもお勧めです。
イベントは定期的に開催される傾向にありますが、想定していた売上が取れなかったり、悪天候などでイベントが中止されたりと採算が合わない場合もあります。
出店費用やイベントの規模、推定売上などを考慮してイベント出店を検討してみてください。
販売代行

利益率の良い商品を取り扱っている場合は販売代行業者も販路の1つとして活躍が期待できます。
販売代行業者は様々な販売方法を駆使して販売をしますので、売れる可能性はかなり高いです。
ただ、販売するために値引きをしたり、販売手数料が20%~と手数料が高額になりますので採算が取れない場合もあります。
利益率が高くない場合は販売代行業者を利用するのはお勧めしませんが、不良在庫の処分で利用するのはお勧めです。
取扱商品によっては販売代行業者との取引をしても良いと思います。
販路が少なくても売上を伸ばすには

販路の重要性と販路の種類について解説してきましたが、購入する選択肢が多い現代で販路が少ないと経営は厳しくなります。
経験上、少ない販路で売上を伸ばしていく方法は1つしかありません。
圧倒的な商品力が必要

販路が少なくても圧倒的な商品力があれば売上を伸ばすことは可能です。
需要が高く供給が少ない商品をたくさん継続的に仕入れることができれば販路が少なくても売上を伸ばしていくことは可能となります。
こういったブランドは全国で数店舗しか取扱いが許されていない人気ブランドや世界で数店舗しか取扱いが許されていない人気ブランドなどが該当します。
セレクトショップに限らず小売業であれば、圧倒的な商品力があれば販路が少なくても経営は盤石となります。
商品力があれば店頭販売だけでも良いと思いますが、ネット検索をして他店舗でも購入できる商品を取り扱っているのであれば、販路を増やす努力をするのが経営の安定化につながると思います。
まとめ

今回は【セレクトショップを経営して学んだこと】販路が少ないと売上が伸ばせないについて書きました。
販路が少ないと売上を伸ばしていくことは非常に難しいです。
ECサイトの多店舗展開は「未経験者がネット通販で売上を上げていく全体像【セレクトショップのECサイト運営】」でも解説しているので気になる方はリンク先をごらんください。

今後、セレクトショップの競争はさらに激化していくよ。
ECサイトの多店舗展開をしていないセレクトショップは今よりも経営が厳しくなるから早めに対応することをお勧めするよ。
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