
こんにちは、EC村長です。
ネット通販で年商1億円を目指す小さな小売店を運営しています。

取り置きは対応していますか?
村長のセレクトショップでは対応していません。
取り置きについて思うことを書きたいと思います。
アパレルショップを長年経営していると、「取り置きはできますか?」というご要望を日常的にいただきます。
取り置きとは、お客様の購入を前提に、一定期間商品を確保しておく行為です。
気に入ったけれどその場では購入できない、後でまた来るから確保しておいてほしい——そんなご要望に応えたい気持ちはもちろんあります。
しかし、私たちセレクトショップの経営者として、取り置きを「当たり前のサービス」として受け入れることには慎重でなければなりません。
なぜなら、それが店舗の運営にとって大きなリスクを伴う行為であり、在庫管理や顧客対応、販売機会の損失といった多くの問題を内包しているからです。
本記事では、「取り置きをさせない理由」と、なぜそのような方針に至ったのかを経営者の視点から解説していきます。
お客様との信頼関係を大切にしながらも、ショップとして健全な運営を続けるために必要な判断——それが「原則取り置きをしない」というルールです。

取り置きが必要なのか、取り置きのメリットやデメリットなど、村長が思っていることを書いていきます。
参考になりましたら幸いです。
はじめに

アパレルの現場では日常的に「取り置きできますか?」という相談を受けます。
一見、顧客サービスの一環として自然な対応に思えるかもしれません。
実際に、気に入った商品があってもその場では即決できないという事情は理解できますし、お客様の立場からすれば「ほんの数日キープしてもらえるだけで安心して検討できる」と感じるのも無理はありません。
しかし、私たちセレクトショップのように限られた在庫で展開する小売業において、この“取り置き”は非常に慎重に扱うべきテーマです。
現場で商品を確保することは、すなわち「ほかのお客様がその商品を買う機会を止めること」と同義であり、それは店舗にとって機会損失につながる可能性を常に孕んでいます。
本記事では、なぜ当店が「取り置きは基本的にお受けしない」という方針を取っているのか、その理由を経営者としての視点から明確にしながら、取り置きの持つリスク、非効率性、そして顧客との誠実な関係性について考えていきます。
取り置きとは何か
「取り置き」とは、顧客が気に入った商品を購入する意思があると示しながらも、その場で決済せずに、後日購入することを前提に一定期間店舗にキープしておいてもらう行為です。
アパレル業界ではごく一般的に見られるサービスのひとつで、接客の終わりに「お給料日まで置いておいてほしい」「友達と相談してから決めたいので明日までお願い」といった依頼が発生することがあります。
店舗によっては、この取り置きに際して「内金(うちきん)」と呼ばれる一部前払い金を受け取る場合もあります。
これはキャンセル防止のための仕組みではありますが、それでも取り置き品が最終的にキャンセルされるケースは珍しくありません。
取り置きは本来、「購入するための一時的な保留」であるべきですが、実際には「買うかどうかを決めかねている状態の保留」であることも多く、そうなると店舗側としては在庫の流動性を止め、販売機会を一時的に放棄していることになります。
このように、取り置きには表面的なサービスの裏に、さまざまな問題点が潜んでいるのです。
取り置きが行われる背景

取り置きという行為は、お客様の一方的な都合で行われると思われがちですが、その背景には消費行動や購買心理に深く根ざした理由があります。
私たちが店舗で接客をしていると、取り置きを希望するお客様の表情や言葉の端々から、不安や迷い、そして「今すぐには決断できない」さまざまな理由が見えてきます。
では、なぜ人は「すぐに買う」ことを選ばず、取り置きを希望するのでしょうか。
その根底にある心理とニーズをひも解くことで、なぜ取り置きが頻繁に発生するのかが見えてきます。
顧客側の心理とニーズ
取り置きが求められる背景には、顧客の行動心理や個々の事情が複雑に絡んでいます。
たとえば、「今日は財布に余裕がないが、気に入った商品なので売れてしまうのが不安」「他の店と比較したうえで最終的に判断したい」「一度家に帰ってからじっくり考えたい」といった気持ちは、実際の現場でよく耳にする理由です。
いずれも購入に対してある程度の意思は持っているものの、即断即決ができない状態にあります。
セレクトショップのように商品点数が少なく、希少性が高いアイテムを扱っている場合、「今買わなければ二度と手に入らないかもしれない」という焦りも重なります。
こうした「逃したくない」という心理が、「とりあえずキープだけでもしておきたい」という行動につながります。
さらに、現代の購買行動はSNSやECサイト、価格比較など情報が可視化された環境に強く影響されています。
「他の人に買われる前に抑えたい」「今すぐは判断できないけれど、気になる」――このような心理が、取り置きを求める動機としてますます強まっているのが現状です。
アパレル業界における慣習
取り置きはアパレル業界において長年続いてきた慣習のひとつです。
多くの小売店では、お客様からの「取り置き依頼」を自然なサービスとして受け入れてきました。
特に個人経営のセレクトショップや小規模なブランド店では、顧客との信頼関係や丁寧な接客を重視するあまり、柔軟に対応することが多いのが実情です。
この慣習は、お客様の満足度向上やリピート率のアップに寄与する側面もあり、一見すると店舗と顧客双方にメリットがあるように思えます。
しかしながら、取り置きを「当たり前」として受け入れてしまうことで、店舗の在庫回転率の低下や販売機会の喪失といった経営面でのリスクも潜在的に高めてしまいます。
また、アパレル業界はシーズン性が強く、商品の価値や需要が短期間で大きく変動します。
そのため、取り置きによる在庫の拘束が長引くほど、商品の鮮度や魅力が薄れてしまい、結局売れ残る可能性も高まります。
こうした業界特有の事情から、近年では「取り置きをしない」「内金を必須とする」「取り置き期間を厳格に設定する」といった店舗方針を打ち出すケースも増えてきました。
時代の変化に伴い、経営効率と顧客サービスのバランスを取るために、取り置きの扱い方を見直す動きが活発化しているのです。
取り置きに対する経営者としての考え

セレクトショップ経営者として、取り置きというサービスは非常にデリケートな問題です。お客様の利便性を尊重しつつも、経営の健全性を保たなければならないため、両者のバランスを見極める必要があります。
私自身、長年の現場経験から「取り置きは店舗運営にとってどのような影響を与えるのか」を冷静に判断し、経営方針として明確なスタンスを持つことが不可欠だと感じています。
セレクトショップの運営目線で見る問題点
取り置きが抱える最大の問題点は、限られた在庫が長期間拘束されてしまうことです。
セレクトショップは小規模で、全体の在庫数も多くはありません。
1点物や少量入荷の商品が多いため、取り置きによって一部の商品が数日間も動かずに置かれてしまうと、他のお客様に販売するチャンスを失うことになります。
また、取り置きをすると販売のタイミングが遅れるため、季節の変化やトレンドの移り変わりに合わせた売り方が難しくなり、結果的に売れ残りのリスクが高まるという問題もあります。
これらは店舗の回転率や売上に直接影響を及ぼします。
購入前提という曖昧な約束
多くの場合、取り置きは「購入を前提に」とされますが、この前提は非常に曖昧であり、法律的にも強制力はありません。
実際には、購入を見送るお客様も少なくなく、キャンセルが発生するのが現実です。
この曖昧さは、店舗側にとって大きなリスクとなります。
商品が取り置きされている間、他の顧客には販売できないため、機会損失が発生しますし、取り置き期間終了後にキャンセルされた場合、再度販売するタイミングを失うこともあります。
そのため、取り置きの運用にあたっては、店舗側が厳格なルールを設けるか、そもそも取り置きをしない方針を打ち出すことが、長期的な経営の安定には必要だと考えています。
店舗側にとってのデメリット

取り置きは一見お客様サービスの一環に見えますが、店舗運営の視点から見ると多くのデメリットが存在します。
特に小規模なセレクトショップでは、在庫管理や売上計画に直結する問題が顕著に表れやすく、軽視できない経営リスクとなります。
以下では、取り置きが店舗に与える具体的なデメリットを3つの視点から掘り下げていきます。
在庫の流動性が失われる
取り置きを行うことで、商品が一定期間「保留」状態になります。
これにより、在庫の回転率が低下し、商品が長期間店頭に滞留してしまいます。
特にセレクトショップでは、限られたスペースと商品数の中で効率的な在庫循環が売上アップのカギです。
流動性の低下は新商品の投入や季節ごとの商品の入れ替えを妨げ、結果的に魅力的な品揃えを維持しづらくなります。
販売機会の損失
取り置きされた商品は、その期間中、他の顧客に販売することができません。
]購入する意思が曖昧なまま商品が確保されると、実際に購入されないリスクも含めて「販売機会の損失」につながります。
特に人気商品や限定品の場合、取り置きによる販売機会の喪失は店舗の売上に直接響き、経営に大きな影響を及ぼします。
こうした販売機会の損失は、短期的だけでなく長期的な顧客離れやブランドイメージの低下を招く恐れもあります。
キャンセル時のトラブルリスク
取り置き後にキャンセルが発生した場合、店舗側は商品を再度販売しなければならず、その間に売り時を逃すことがあります。
また、取り置きをめぐる誤解やトラブルが発生することも少なくありません。
例えば、「取り置き期間の認識違い」「キャンセル連絡の遅延」「内金の返金問題」などが挙げられます。
こうしたトラブルは、顧客との信頼関係を損ねるリスクがあり、場合によっては店舗の評判にも悪影響を及ぼします。
「お金の準備ができていない客」という問題

取り置きが発生する根本的な理由のひとつに、「購入したい気持ちはあるが、お金の準備が整っていない」というお客様の事情があります。
これは販売の現場で頻繁に見られる問題であり、セレクトショップ経営者にとって頭を悩ませるポイントでもあります。
この章では、購入意思と実際の経済的余裕のギャップ、そしてその場で即決できないお客様への対応について考えてみます。
購入意思と経済的余裕のギャップ
多くのお客様は「欲しい」という気持ちと「買えるかどうか」という経済的な状況の間で葛藤しています。
特に高価格帯の商品を扱うセレクトショップでは、そのギャップが顕著に現れやすいのが特徴です。
例えば、給料日前であったり、他の支出が重なって手元に現金やカードの利用可能額が不足している場合、お客様は「今すぐには買えないけど取り置きしてほしい」と申し出ることがあります。
しかし、このような状態は店舗側から見ると、「本当に購入できるのか」という不確実性を抱えたまま商品を確保している状況を意味します。
結果的に販売機会を逃し、経営リスクを増大させる原因となります。
その場で決断できない客との向き合い方
購入の意思があっても即決できないお客様には、丁寧なコミュニケーションと明確なルール設定が必要です。
まずは「購入意思が明確になった時点で改めてご来店ください」と伝え、取り置きではなく「再来店を促す」対応が望ましいでしょう。
また、内金をいただく形で取り置きを認める場合は、支払いの確約を明示することで双方の安心感を高めることができます。
しかし、これもお客様にとって心理的なハードルとなるため、無理強いは避けるべきです。
何より重要なのは、店舗側が取り置きの対応基準を明確にし、それを一貫して運用することです。
曖昧な対応はトラブルの元となり、長期的な信頼関係構築を阻害してしまいます。
内金制度の導入とその現実

取り置きの問題を解決するためのひとつの手段として「内金制度」の導入があります。
内金を預かることで、お客様の購入意思をより確かなものにし、店舗側のリスクを軽減する狙いです。
しかし、内金制度は導入するだけで解決するわけではなく、運用面での課題やお客様との信頼関係を損ねるリスクも伴います。
本章では、内金制度の効果と現実的な運用上の注意点について解説します。
内金は取り置き対策になるのか
内金を設定することで、お客様が真剣に購入を考えていることの証明となり、無駄な取り置きを防止する効果が期待できます。
実際に内金があれば、店舗側はその金額を受け取り商品を確保するため、販売機会の損失を減らせるメリットがあります。
しかし、内金を求めることが顧客の心理的な負担となり、来店を遠ざける可能性も否めません。
特に初めての顧客や常連でもないお客様にとってはハードルが高く感じられることがあります。
また、内金があるからといって必ず購入が確約されるわけではありません。
何らかの理由でキャンセルが発生すれば、内金の返金や商品の再販売など対応が必要になるため、運用には慎重なルール作りが欠かせません。
運用面での難しさと注意点
内金制度を運用する際は、金額設定や期間、返金条件などを明確に定めておくことが重要です。
例えば、内金の額が高すぎると顧客離れを招き、低すぎると抑止力が弱まります。
また、内金を預かる際は、領収書の発行や記録管理を徹底し、トラブル防止に努める必要があります。
特に返金ポリシーはわかりやすく伝え、キャンセル時の対応を予め定めておくことがトラブル回避の鍵となります。
さらに、内金制度を導入しても、すべてのお客様がこのルールを理解し納得するわけではありません。
誠実な説明と丁寧な対応を心がけることで、信頼関係の維持を図ることが求められます。
公平な販売機会の確保

セレクトショップが健全に運営されるためには、すべてのお客様に公平な販売機会を提供することが欠かせません。
取り置きによって特定の顧客に商品が長期間確保されると、他の購入希望者とのバランスが崩れ、不公平感を生む可能性があります。
ここでは、店舗側がどのようにして公平性を保ち、すべてのお客様に満足していただける環境をつくるべきかについて考えてみます。
他の顧客とのバランス
限られた在庫を取り置きで確保すると、その間は他のお客様が購入できなくなります。
特に人気商品や限定品の場合、この影響は大きく、取り置きを優先した結果、他の顧客の購買機会を奪うことにもつながりかねません。
そのため、店舗は取り置きに対して明確なルールを設定し、期間を限定するなどして公平な販売機会の確保に努める必要があります。
ルールが透明であれば、お客様同士のトラブルや不満を防ぎやすくなります。
取り置きによる不公平感の回避
お客様の間で「取り置きしてもらった人だけが買えて、自分は買えなかった」という不公平感が生じると、店舗全体の信頼に悪影響を及ぼします。
特にSNSや口コミでの拡散は避けたいところです。
この不公平感を防ぐためには、取り置きを原則控えめにし、どうしても必要な場合には内金の活用や期限の厳守を徹底することが効果的です。
また、取り置きに関する店舗の方針を明確に掲示し、お客様全員に周知することも重要です。
公平な販売機会の提供は、結果的にお客様からの信頼とリピーターの増加に繋がるため、店舗運営の基盤を支える大切な要素であると言えます。
取り置きを断ることもサービスの一環

セレクトショップにおける「取り置き」は、顧客サービスのひとつとして考えられがちですが、場合によっては断ることもお客様の満足度や店舗運営の質を高めるための重要な対応です。
店舗の方針と顧客ニーズをバランスよく調整しながら、より良いサービスを提供するための考え方を紹介します。
顧客満足と店舗方針の両立
取り置きを断ることで、一見お客様の期待に応えられないように思えるかもしれません。
しかし、店舗の在庫管理や販売機会を守るために断ることが、結果的にすべてのお客様にとっての満足度向上に繋がる場合も多いのです。
例えば、購入を迷っているお客様に対しては、商品の特徴や魅力を丁寧に伝え、その場で決断していただくためのフォローアップを心がけることが大切です。
無理に取り置きを認めずとも、お客様の購入意欲を後押しするサービスは可能です。
明文化されたルールの重要性
取り置きを断る際にトラブルを防ぐためには、店舗の方針を明文化し、スタッフ全員で共有することが不可欠です。
また、そのルールをお客様に対しても分かりやすく説明し、理解を得る努力が求められます。
例えば、取り置きは原則として行わない、例外的に内金をいただく場合がある、期間は〇日間までなど、具体的なルールを掲示し、ホームページや店頭で案内することで、誤解や不満を未然に防げます。
このような透明性のある運営が、長期的な信頼関係の構築につながり、結果的に店舗のブランド価値を高めることになります。
例外対応のあり方

取り置きに関しては、基本的には断る姿勢が望ましいものの、すべてのケースを一律に扱うことは難しいのが現実です。
特に長年の信頼関係が築かれた常連顧客や、経営上特別な判断を必要とする場合には例外対応が求められることもあります。
この章では、例外的な取り置き対応の考え方と運用のポイントについて解説します。
信頼関係のある常連顧客への配慮
長く通ってくださっている常連顧客には、店舗もある程度の柔軟な対応を検討する価値があります。
信頼関係ができていることで、取り置きの期間や内金の有無についてお互いに納得の上で決めやすくなるからです。
しかし、この配慮も甘えにつながらないよう注意が必要です。
あくまでも例外として、ルールの範囲内で対応し、店舗運営に支障が出ないことを優先します。
常連であっても、取り置き期間の明確化や約束の遵守を徹底することが信頼維持の鍵となります。
経営判断としての特例措置
取り置きを例外的に認める場合は、経営者の判断として慎重に行うべきです。
特に在庫状況や販売戦略、顧客の購買履歴などを総合的に考慮し、店舗にとって不利益が生じないかを確認します。
また、特例措置を行う際は、スタッフ間での情報共有を徹底し、トラブルを未然に防ぐことが重要です。
経営判断による例外対応は、あくまでも店舗運営のバランスを崩さない範囲で行うべきであり、透明性を持って運用することが信頼維持につながります。
経営効率から見る取り置きの非効率性

取り置きは一見お客様サービスの一環として考えられますが、経営効率の視点から見ると多くの非効率を生み出します。
限られた資源を最大限に活用し、健全な店舗運営を行うためには、取り置きの問題点を正しく理解し対応策を講じることが求められます。
ここでは、取り置きがもたらす経営上の非効率について具体的に解説します。
在庫回転率への影響
取り置きにより商品が一定期間売れずにキープされると、在庫回転率が低下します。
在庫回転率は、商品がどれだけ速やかに売れているかを示す重要な指標であり、これが低下すると資金繰りや売上拡大に悪影響を及ぼします。
特にセレクトショップでは、トレンドやシーズンに左右される商品が多いため、スムーズな在庫回転が売上の安定と成長に直結します。
取り置きで在庫が滞ることは、機会損失だけでなく、商品の陳腐化や値下げリスクも伴うため、経営面で大きなマイナスとなります。
人的リソースの消耗
取り置き対応にはスタッフの時間と労力も必要です。
取り置き期間中の商品の管理やお客様との連絡調整、キャンセル対応などは、その都度手間がかかり、他の業務に集中できなくなることも少なくありません。
特に小規模なセレクトショップではスタッフ数が限られているため、こうした非効率な作業は店舗全体の運営効率を大きく下げる要因となります。
人的リソースを効率的に使うためにも、取り置きは最小限に抑えることが望ましいと言えます。
まとめ

取り置きに関する考え方は、単なる販売の手法を超え、店舗の経営姿勢や顧客対応の質を表す重要なポイントです。
今回の記事では、取り置きがもたらす問題点や店舗側の視点から見た非効率性、そして例外対応のあり方について解説しました。
最後に、これらを踏まえた店舗運営の基本姿勢についてまとめます。
ルールは経営の軸になる
店舗が健全に運営されるためには、取り置きに関する明確なルールが不可欠です。
ルールがあることでスタッフの対応が統一され、顧客にも公平で透明性の高いサービスを提供できます。
こうしたルールは単なる制約ではなく、経営の軸として店舗の信頼性と効率性を支える重要な役割を果たします。
取り置きを断ることが誠実な接客
取り置きを基本的に行わない姿勢は、一見お客様の希望に反するように思えるかもしれません。
しかし、これは店舗とお客様双方にとって誠実で透明性のある接客を実現するための大切な考え方です。
お金の準備ができていない状態で商品を確保することは、店舗の経営効率を損なうだけでなく、他のお客様に対しても不公平となります。
そのため、適切な説明とフォローを通じて、お客様に購入の決断を促し、双方が納得できる良好な関係を築くことこそが、本当の意味での顧客満足につながると思っています。
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