セレクトショップの運営 2025年 運営日記 運営日記

仕入で磨かれていく自分の消費行動【セレクトショップ運営日記】

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お疲れ様です、EC村長です。

ネット通販で年商1億円を目指す小さな小売店を運営しています。



EC村長

バイヤーをしていると自分の消費行動も変化していきます。

消費行動の変化について書きたいと思います。



セレクトショップを運営していると様々なことが起こります。

嫌な思いをしたらもう二度と同じことは繰り返さないと誓いますが、すぐに忘れてしまい、同じ失敗を繰り返したりします。

良く言えば『切り替えが早い』、悪く言えば『忘れっぽい』ですね。

記録をしても改善できないこともあると思いますが、思う事を綴っていきたいと思います。

店舗運営をしているとこういった問題や悩みがあるんだなと、暇つぶしに読んで頂けたらと思います。



物を売るという仕事の本質



私たち小売業に携わる者にとって、「物を売る」とは単なる取引ではありません。

単価や在庫の管理、販促活動の工夫といった業務的な要素の先にあるのは、「誰かの暮らしにその商品がどう役立つか」を想像し、選び、提案するという責任と喜びです。

特にセレクトショップという業態は、作り手と使い手の間に立つ橋渡しのような存在です。

メーカーがつくる商品は数多くありますが、すべてを店頭に並べるわけにはいきません。

そこにあるべきは、「なぜこれを選んだのか?」という明確な理由です。

その選定の結果、店頭に並ぶ商品ひとつひとつには私たちの意思が宿っています。

お客様は単なる商品を買っているのではなく、私たちの審美眼、価値観、そしてストーリーを買ってくださっているとも言えるのです。

だからこそ、「売れるものを仕入れる」という行為には、売上以上の意味があります。

感性と論理のバランスを取りながら、お客様の未来に寄り添える商品を選ぶこと。

それが物売りのプロとしての役割であり、醍醐味なのだと、私は日々の業務を通じて実感しています。



バイヤーは「売れるかどうか」を常に考える



セレクトショップにとって、仕入れとは単なる商品の調達ではありません。

むしろ「この商品は売れるか?」という問いへの答えを出す作業に近いといえます。

私たちが仕入れる商品は、お客様のニーズに合致していなければ売れ残ります。

在庫リスクを抱え、キャッシュフローを圧迫することにもなりますから、日々の仕入れ判断は経営の成否を分ける要とも言えます。

では「売れる商品」とは一体どのようなものなのか。

それを判断するには、バイヤーとしての視点の磨き方が問われてきます。



売れるとはどういうことか

「売れる」という言葉はよく使われますが、その本質を突き詰めると、単純な人気商品や話題の商品という意味ではありません。

本当に売れる商品とは、お客様の“今”のライフスタイルや価値観に自然とフィットするものです。

トレンドを追うだけでは不十分で、実際にお客様が財布を開くかどうか、その“瞬間の決断”にどう結びつけるかが重要です。

価格、デザイン、機能性、ブランドの背景、さらにはSNS映えまで、多面的な要素が複雑に絡み合っています。

そのため、仕入れ時点で私たちが考えるのは「これは自分が欲しいか」ではなく、「これは、うちのお客様が欲しがるか」「使いこなせるイメージが湧くか」という視点です。

プロとしての判断軸が必要になります。



主観よりも客観が求められる世界

バイヤーとして最も難しいのは、自分の好き嫌いと売れる・売れないを切り分けることです。

ファッションに携わる人間であれば、どうしても感情的に惹かれる商品があるものですが、プロの現場ではそれを抑える冷静さが求められます。

お客様の年齢層、ライフスタイル、季節、価格感などを俯瞰して捉え、どれだけ客観的に判断できるかが、バイヤーの腕の見せ所です。

さらに難しいのは、「本当に価値あるものは売れるはずだ」と信じつつも、市場の流れと乖離していないかを検証し続ける姿勢です。

時には好きなアイテムを泣く泣く見送ることもありますが、それもまたプロの判断。

自己満足ではなく、経営に資する選択が常に求められる世界です。



仕入れ目線が自分の消費行動を変える



長くバイヤーの仕事をしていると、仕事中だけでなく、プライベートでも「仕入れ目線」が染みついてくるのを実感します。

もはや買い物を純粋な娯楽として楽しむことが難しくなった、というのが正直なところかもしれません。

日常的に「これは売れるか?」「費用対効果はどうか?」と考え続けていると、自然と自分自身の買い物にもその視点が反映されていきます。

その結果、以前のように「ただ欲しい」という感情だけでモノを買うことがほとんどなくなっていきます。



「欲しい」から「売れる」の目線への変化

かつては私自身も、何か気になるものがあれば感覚的に「欲しいから買う」という消費をしていました。

しかし仕入れの仕事に関わり続ける中で、「それは本当に必要か?」「長く使えるか?」「価格に対して納得できるか?」といった判断基準が無意識に働くようになります。

この変化は、自分の消費行動において「主観」よりも「客観」を優先するようになったことを意味しています。

たとえば洋服一着を選ぶ時も、単に好きな色やデザインで選ぶのではなく、「この素材感はどれだけ使えるか」「洗濯の手間はどうか」「価格に対して納得感があるか」といった、多角的な視点で評価するようになりました。

つまり、「欲しいから買う」ではなく、「納得できる価値があるから買う」に変わっていくのです。

これはプロとして物を見る目を養ってきた証でもあり、裏を返せば、仕入れの目線が自分自身の財布にも厳しくなっているとも言えるでしょう。



日常生活にもにじみ出る選別眼

こうした目線は、買い物に限らず、日常生活のあらゆるシーンに影響を与えます。

たとえば飲食店を選ぶ時にも「価格帯と満足度のバランス」、家電を買う時には「機能と耐久性のバランス」、さらには趣味の道具を選ぶ時にも「長く使えるか、コストに見合う性能か」を自然と考えてしまいます。

これは職業病のような側面もあるかもしれませんが、一方で「本当に価値あるものだけを選ぶ」という意識は、非常に健全な消費習慣でもあります。

不要な浪費が減り、結果的に満足度の高い買い物ができるようになる――これも、バイヤーとしての経験がもたらしてくれた副産物だと感じています。



価値を見抜く力が買い物の質を変える



仕入れの現場では、「価格」や「ブランド名」だけでは判断しきれない“本当の価値”を見抜く力が必要です。

これは、消費者としての買い物においても同様であり、むしろバイヤーとしての経験を積めば積むほど、「見せかけの価値」に惑わされない判断軸が育っていきます。

物の本質的な価値を冷静に見つめることができれば、買い物の質は確実に変わっていきます。

高いもの=良いもの、安いもの=お得、という単純な図式から卒業し、「本当に満足できるかどうか」という問いに正直になることができます。



ブランド力や価格だけに惑わされない

人気ブランドや高価格帯のアイテムには、一定の信頼感があるのは確かです。

しかし、バイヤーとして多くの商品に触れてきた経験から言えるのは、「価格と品質が必ずしも比例するとは限らない」ということです。

むしろ、価格が高いがゆえに期待値も高くなり、実際に手にしたときに「思ったほどではない」というギャップに気づくこともあります。

ブランド名に安心してしまい、本質を見落としてしまうことは、仕入れでも消費でも大きなリスクになります。

バイヤーとして磨かれた視点は、「この価格に、この作り、この素材、この背景なら納得できるか?」という問いに自然と移行します。

価格の数字やネームバリューよりも、“モノそのもの”の説得力を重視するのです。



安売りされているブランドは数年後に価値が下がっている

もうひとつ、見逃せないのが「ブランドの流通戦略による価値の変化」です。

たとえ魅力的なブランドであっても、過度なディスカウントやセール乱発が続くと、ブランドイメージは徐々に下がっていきます。

バイヤーとして数年単位でブランドの動きを見ていると、「あのブランド、あんなに安売りし始めてからお客様の反応が鈍くなったな」というケースに何度も出会ってきました。

短期的には売れても、安売りの常態化は「このブランドは待てば安くなる」という認識を生み、長期的には信頼と価格帯の崩壊を招きます。

だからこそ、私たちも仕入れる際には、そのブランドがどんな価格戦略を取っているのか、どのチャネルでどのように販売されているのかをよく見ます。

これも、目先の人気ではなく、中長期での「価値の持続性」を見極める買い物の目線といえるでしょう。



機能・耐久性・汎用性などの観点

また、消費者目線で見落としがちなのが「実際に使ってどうか」という視点です。

バイヤーとして商品を扱う際には、機能性・耐久性・汎用性といった使用価値にも着目しています。

たとえばアウターを一着選ぶとして、デザインが気に入ったとしても、「防風性は?」「クリーニングは必要?」「どんな服とも合わせられるか?」といった点が実生活では非常に重要です。

数回しか着ない服に高いお金を払うより、10回、20回と活躍する一着を選ぶほうが、結果的にコストパフォーマンスが高く、満足度も長続きします。

見た目のインパクトだけでなく、使い続ける中で「買ってよかった」と感じられるかどうか――これが、真の意味で“価値ある買い物”を見抜くための観点です。



「欲しい」だけでは買わないという感覚



バイヤーという仕事を続けていると、自然と「欲しい」と思った瞬間に、条件反射のように“本当に買うべきか”を考える習慣が身につきます。

これはいわば、感情と理性のバランスを取るトレーニングのようなものです。

もちろん、心惹かれる瞬間があることは悪いことではありません。むしろ、感動やときめきがなければ、商品選定そのものが面白くなくなってしまいます。

しかし、プロの視点としては、「ときめき」と「判断」は一度分けて考える必要があるのです。



心が動いても一度立ち止まるクセ

たとえば、ショッピング中にふと目に留まった商品に心が動いたとします。

以前であれば、感情のままに購入していたかもしれませんが、今は無意識にチェックリストが頭の中に浮かびます。

なぜ惹かれたのか?(デザイン?色?ブランド?)

それは一時的な気分ではないか?

使うシーンは具体的に思い浮かぶか?

他の選択肢と比べて抜きん出ている点はあるか?

こうした問いを自分に投げかけながら、少し距離を置いて商品を見る癖がついています。

これはバイヤーとして日々「仕入れてよいのか」を自問してきた積み重ねから自然に身についた思考回路です。

このプロセスを経て、「欲しいと思ったけれど、実は必要なかった」と気づくことも多く、結果的に無駄な買い物が減っていくのです。



感情と理性のバランス感覚

買い物とは、感情と理性のせめぎ合いです。

どちらかに偏っても、満足度は得られません。

感情に任せすぎれば衝動買いになり、理性に寄りすぎれば買い物そのものがつまらなくなってしまいます。

バイヤーという立場で養われたのは、この「バランスを取る力」だと感じています。

感情を否定せず、しかしそれを鵜呑みにせず、冷静な視点で一歩引いて見る。

そうした「ひと呼吸おいて考える」習慣が、結果として後悔のない買い物へとつながっていくのです。

この感覚は、日常のあらゆる選択にも応用が利きます。

たとえば投資の判断、趣味の道具選び、さらには人付き合いにおいても、「一歩立ち止まる力」はとても大きな意味を持ちます。



プロの買い物は価値とコストパフォーマンスで判断



物を扱うプロであるバイヤーにとって、商品の良し悪しを見極める最大の基準は「価値」と「コストパフォーマンス」です。

これは仕入れの世界に限らず、自分自身の消費行動にも同様に当てはまります。

単に価格の安さだけで判断するのではなく、「その価格に見合った価値があるか」「長期的に満足感が続くか」を冷静に評価する力こそ、プロの買い物術の核心です。

「安いから買う」「欲しいから買う」といった感情的な衝動に流されるのではなく、「価格に対してどれだけの価値や満足感が得られるか」「使用頻度や耐久性を考慮したコストパフォーマンスはどうか」という視点を持つことで、無駄な出費を抑え、心から満足できる買い物につながっていきます。



仕入れと同じように「投資対効果」を意識

仕入れ業務では常に、「この商品はこの仕入れ値でどれだけ売上と利益を生むか」をシビアに見ています。

その目線は、自分の私物選びにもそのまま反映されるようになりました。

たとえば高価なジャケットを見たとき、「この金額で何年着られるのか」「今持っている服との相性はどうか」「来年以降も着られるデザインか」といった“投資対効果”を瞬時に計算してしまうのです。

つまり、単なる「支出」ではなく、「生活の中でどれだけ役に立ち、価値を発揮してくれるか」という“リターン”の視点が自然と身についています。



「損しない買い物」こそ満足度が高い

高いものが必ずしも満足度の高い買い物とは限りませんが、逆に「安く買えたけど結局使わなかった」という経験は誰しもあるはずです。

プロの買い物においては、「金額」よりも「損をしない」ことが満足感を生み出します。

つまり、価格以上の価値を感じられたとき、初めてその買い物は成功だったといえるのです。

この“損をしない”という感覚は、単に安く買うことではなく、「時間・手間・活用頻度・自己満足」など、広い意味でのコストとリターンのバランスを見ることに他なりません。

買った後に「これは本当に良かった」と思える買い物は、必ずどこかにしっかりとした理屈があります。

そして、その理屈をきちんと自分で納得できているからこそ、長く大切に使い続けられるのです。



「買う」こともまた鍛えられるスキル



セレクトショップという小売業の現場で、長年バイヤーとして仕入れを行ってきた中で実感していることがあります。

それは、「物を売る力」と同時に、「物を買う力」も磨かれていくということです。

買うという行為は、決して単なる消費ではなく、「選択の積み重ね」でもあります。

どんなものに価値を見出すか、どこにお金を使うか、何を避けるか——その判断の一つひとつが、自分の思考を整え、暮らしや仕事の精度を高めてくれるのです。

そしてこの「買い物力」は、経験と意識次第で鍛えることができます。

感情だけで動かず、理性だけに偏らず、コストパフォーマンスや将来のリターンを見極めながら選ぶ目線。

それはプロのバイヤーに限らず、誰にとっても豊かさにつながる大切な視点です。

「買う力」が育つと、日々の暮らしに無駄がなくなり、選んだモノに対する満足度も高まります。

同時に、「自分は何を大切にしているのか」という価値観も、より明確になっていきます。

プロとしての買い物観は、単なるテクニックではなく、自分自身の生き方や経営姿勢にも通じる大きな軸になります。

だからこそこれからも、売る側でありながら、買う側としてのスキルも磨き続けていきたい——そんな想いで日々向き合っています。



EC村長

お金がなかった頃の金銭感覚が抜けていないので、自分の買い物もシビアになっているのかもしれません。

今後、自分の消費行動に変化があった場合は改めて記事にしてみようと思います。





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