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セレクトショップのAmazon攻略法

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セレクトショップを経営されている皆さまにとって、「次にどの販路を強化するべきか」というテーマは、常に頭の片隅にあるのではないでしょうか。

私自身も、ECサイト運営やモール販売を続ける中で、最近あらためて注目しているのがAmazonでの出品です。

Amazonは価格競争が激しく、セレクトショップ向きではないのでは?」と感じる方もいらっしゃるかと思います。

実際、私も以前はそう考えていました。

ところが、ある条件が揃ったときに限っては、Amazonが売上拡大のチャンスになり得ることに気づきました。

特に、Amazon上にまだ出品されていない商品を扱える場合、その商品ページでカートを独占できる可能性があるため、競合に左右されずに販売できるのです。

これは、セレクトショップが持つ「選定力」を活かせる場面だと感じております。

本記事では、私自身の経験を交えながら、Amazon出品における可能性とその判断軸について、皆さまと共有させていただければと思います。



今回の記事に書かれている内容

  • Amazon出品の基本とカート獲得の仕組み
  • 競合がいない商品でのカート独占チャンス
  • 大口出品の月額費用と利益目安
  • 出品に適した商品の選び方
  • セレクトショップ向けAmazon活用法



Amazon出品はセレクトショップのチャンスになるか



これまでのセレクトショップ経営において、オンライン販売の比重は年々高まってきました。

楽天市場やYahoo!ショッピング、自社ECといった販路が主流の中で、「Amazonはうちには向いていない」と感じてこられた方も少なくないかもしれません。

ですが、最近になって私自身が感じているのは、「Amazonに出していないのは、むしろもったいないのではないか?」という気づきです。

全ての商品が向いているわけではありませんが、一定の条件が揃えば、Amazon出品が思わぬ売上につながる可能性を秘めています。

ここでは、セレクトショップにとってのAmazonという販路の可能性について、私なりの視点でお話しさせていただきます。



なぜ今Amazonなのか



Amazonといえば、家電や日用品を中心とした「価格重視のショッピングサイト」という印象をお持ちの方も多いかもしれません。

しかし近年では、アパレルや雑貨、ファッション小物といった感度の高いアイテムも徐々に増えてきており、ユーザー層も広がりを見せています。

また、配送スピードや購入のしやすさを評価するユーザーが非常に多く、Amazonしか使わないという層も確実に存在します。

つまり、これまで楽天や自社ECで接点のなかったお客様にアプローチできる可能性があるということです。

今だからこそ、Amazonというプラットフォームに改めて目を向けることは、セレクトショップにとって新しい販路の一つとなり得るのではないかと考えております。



ネット販売の選択肢としての位置づけ



現在、多くのセレクトショップが自社ECに加えて、楽天市場やYahoo!ショッピングといったモール型のECサイトを活用していることと思います。

それぞれに顧客層や売れ筋商品が異なるため、販路を複数持つことは安定した売上づくりにつながります。

その中でAmazonは、まだ競合が少ないカテゴリーに出品することで、独自のポジションを築ける可能性があります。

特に、Amazon上で未出品の商品を取り扱える場合には、いわゆる「カートの独占」が可能となり、他のモールとは異なる展開ができる点も魅力のひとつです。

もちろん、すべての商品がAmazonに適しているわけではありませんが、ブランド力があり、まだAmazonで販売されていない商品があるのであれば、それは一つのビジネスチャンスとして十分検討に値すると感じています。



Amazonのカート獲得とは



Amazonで販売を始めるにあたって、避けて通れないのが「カート獲得」という考え方です。

楽天やYahoo!ショッピングでは、自店のページに集客して購入していただく形式が基本ですが、Amazonでは同じ商品ページに複数の出品者が並ぶため、「誰の商品が最初に表示されるか」が売上を大きく左右します。

Amazonで購入ボタンの横に表示される「この商品は◯◯が販売・発送します」の部分を、自社が獲得できるかどうか──それが「カート獲得(Buy Box獲得)」と呼ばれる仕組みです。

これを押さえておかないと、出品してもお客様に選んでもらえる機会が極端に減ってしまうのです。



カートの仕組みと争奪戦の実態



Amazonでは、同一の商品コード(ASIN)に対して複数の出品者がいる場合、基本的には「カートを獲得している出品者」が最優先で表示されます。

このカート獲得は、Amazon独自のアルゴリズムによって決定されており、常に最安値の出品者が選ばれるとは限りません。

ただし、カートを巡る競争がある場合、価格差がわずかでも影響することが多く、出品者同士の小さな値下げ合戦が起こることも珍しくありません。

これはまさに“争奪戦”という表現がふさわしい状況です。

そのため、すでに多くの出品者がいる人気商品を出す場合は、このカート争いに巻き込まれるリスクを踏まえた上で、慎重に販売戦略を立てる必要があります。



価格・配送スピード・ポイントがカギ



カート獲得に影響する要素はいくつかありますが、代表的なものは以下の3点です。



カート獲得に影響を及ぼす要素

  • 販売価格:同じ商品であれば、より安い価格が有利に働く傾向があります。
  • 配送スピード:FBA(Amazonの倉庫からの発送)を利用している場合、優先的にカートを獲得しやすくなります。
  • ポイント付与:独自にポイントを上乗せすることで、購入率を高め、カート獲得に寄与することがあります。



これらの条件が揃っていないと、せっかく出品しても「カートを取れない=お客様に見てもらえない」という事態になりかねません。

逆に言えば、競合がいない商品や、出品者が少ないカテゴリーでは、自然とカートを独占できる可能性もあります。

私自身の実感としても、Amazonにまだ出ていない商品を扱ったときは、これらの争いに巻き込まれることなく、安定して販売できた印象があります。



競合がいない商品は狙い目



Amazonでの販売において、競合が多い商品ほど価格や条件の競争が激しくなります。

その一方で、Amazon上に出品されていない商品を取り扱うことができれば、出品者が自分だけという状況が生まれます。

これは、カートを独占できるという非常に大きなメリットにつながります。

私たちセレクトショップのように、独自の仕入れルートやブランド選定眼を持っている業態であればこそ、Amazonでの“空白地帯”を見つけるチャンスは十分にあると感じています。

大手が扱っていない商品であっても、ファンが一定数いるようなアイテムであれば、Amazonという巨大なプラットフォームで新しい需要を掘り起こすことができる可能性があります。



Amazon未出品=カート独占の可能性



Amazonでまだ誰も出品していない商品を扱う最大の利点は、「最初に出した人がカートを独占できる」という点にあります。

出品者が自分だけであれば、当然ながらカートは常に自社に付く状態となり、競合との比較なしで購入されやすくなります。

さらに、商品ページそのものも一から自社で作成することができますので、ブランドの世界観や特徴をしっかり伝えることも可能です。

モールでありがちな“安売りの棚”に並ぶのではなく、自店らしい提案型の商品ページを構築できる点も、大きな魅力です。

もちろん、出品後に他の出品者が後追いで参入してくる可能性もゼロではありませんが、初動の段階でリードを取っておくことは、長期的に見ても有利に働くケースが多いと感じています。



認知度のあるブランドでの成功例



私自身の経験として、すでに一定のファンがいるけれども、Amazonでは販売されていなかったアイテムを出品したところ、想定以上に早く売上が立ったことがあります。

そのブランドはSNSやブログなどで着実にファンを増やしていたため、「Amazonで買えるならうれしい」と感じてくださる方が多かったのだと思います。

ポイントは、「知名度はあるけれどAmazonには出ていない」商品を見つけることです。

そういった商品は、楽天やYahoo!ショッピングでは競合がいても、Amazonではまだ“手つかず”という状態であることも珍しくありません。

このような空白に気づけるのは、普段からブランドとの関係を築いているセレクトショップならではの強みだと思います。

自分たちが本当に良いと思ってセレクトしてきた商品が、新たな販路で認められるというのは、経営者としても非常にうれしい体験です。



大口出品のコストと利益ライン



Amazonで商品を継続的に販売するには、「大口出品アカウント」の登録が基本となります。

この大口出品は月額4,900円(税別)の固定費がかかるため、まずはこの費用を上回る売上と利益を確保できるかが重要な判断ポイントとなります。

特に、少量の商品を単発で出品する場合は、月額費用の負担が大きく感じられるかもしれません。

しかし、一定の販売ボリュームが見込めるならば、費用対効果の面で十分にペイできるケースも多いです。



月額4,900円の意味



この月額4,900円という金額は、Amazonの販売手数料とは別に発生する固定費用です。

個人事業主や小規模事業者の場合、初めは「小口出品」という方式で手数料のみの支払いに抑えることもできますが、商品数が多い、またはAmazon独自の機能を活用するには大口出品が必須となります。

したがって、月4,900円の固定費がかかることを前提に、利益計算や販売戦略を立てる必要があります。

この費用を回収できなければ、Amazon出品自体が継続困難となるため、十分な売上目標を設定することが大切です。



利益を出すにはいくら売ればよいか



月額4,900円の固定費をカバーするためには、商品単価や利益率によって変わりますが、おおよそ毎月2万円以上の粗利益を確保できる体制を目指すのが現実的です。

例えば、1商品あたりの利益が2,000円ならば、月に10個の販売が必要という計算になります。

もちろん、これにはAmazonの販売手数料や送料、仕入れコストなども含めて計算する必要がありますので、事前にシミュレーションを行い、無理のない目標を設定することをおすすめします。

また、商品が複数あれば合算で利益を出すことも可能ですので、取り扱い商品の幅を広げる戦略も有効です。

私自身も実際に数字を検証しながら、月額費用以上の利益を狙える商品のみを厳選してAmazonに出品しています。

このように計画的に取り組むことで、Amazonは単なる販路のひとつとして十分に活用できると感じています。



出品に向いている商品とは



Amazonでの出品を成功させるためには、扱う商品選びが非常に重要です。

単に「売れそう」な商品を出せば良いわけではなく、Amazonの特性や競争状況に合った商品を見極める必要があります。

ここでは、私が実際に出品を進める中で特に重視しているポイントを3つご紹介いたします。



チェックすべきポイント3つ



Amazonの出品に向いている商品を選定する際にチェックするべきポイントをまとめました。



Amazonの出品に向いている商品

  1. Amazon上での出品状況を確認すること
    まずは、その商品がすでにAmazonに出品されているかどうかを調べることが必須です。 出品者が多すぎる場合は、カート争奪戦や価格競争に巻き込まれるリスクが高いため注意が必要です。
  2. 利益率と価格帯を見極めること
    月額固定費や販売手数料を考慮した上で、十分な利益が出る価格設定かどうかを計算します。 仕入れコストや送料も含めて、利益が確保できるかどうかが重要です。
  3. 発送対応のしやすさを検討すること
    Amazonでは配送スピードが重視されるため、発送の手間やコストを抑えられる商品が向いています。 FBAを利用する場合は手数料も加味し、自社発送の場合は対応可能な在庫管理体制が必要です。



これらのポイントをしっかり確認してから出品することで、無駄なコストや労力を抑えつつ、安定した売上につなげやすくなります。

もちろん、ブランドの個性やファン層を考慮した商品選定も大切ですので、総合的な視点で検討いただければと思います。



まとめ セレクトショップにとってのAmazon活用法



今回ご紹介したように、Amazonへの出品は価格競争やカート争奪戦といった独特のルールがありますが、セレクトショップの強みを活かせるチャンスも多くあります。

特に、Amazonにまだ出品されていない商品を取り扱うことで、カートを独占しやすく、効率的に売上を伸ばせる可能性が高い点は見逃せません。

また、大口出品の月額費用を上回る利益を見込める商品を厳選し、配送スピードや価格設定、ポイント戦略などを工夫することで、安定した販売環境を築くことができます。

販路の多様化を図りたいセレクトショップ経営者の皆さまにとって、Amazonは決して無視できない選択肢の一つだと感じています。

もちろん、すべての商品がAmazonに適しているわけではありませんので、自店の強みと商品の特性を見極めながら、無理のない範囲で挑戦してみてはいかがでしょうか。

新たな販路開拓の一助として、今回の記事がお役に立てれば幸いです。




EC村長

amazonは利用者が多い市場ですので、チャレンジしてみるのも良いと思います。

村長の店舗のamazonの業績は「売上公開ブログ」で公開しています。





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