
今回の運営日記は、お店の裏方のお話、特に「お金の管理」についてです。
私が運営しているセレクトショップでは、これまで主に2つの銀行口座を使ってやり取りをしていました。
ひとつは地方銀行の口座で、一部のECサイトの売掛金回収や、家賃・仕入れなどの経費支払用。
もうひとつは信用金庫の口座で、こちらも売掛金の回収と、税金や人件費の支払いに使っています。
どちらも事業用の普通の口座なのですが、最近、手元の資金のバランスを見て「そろそろ対策をしないといけないな」と思うことがあり、新しく口座をひとつ増やすことにしました。
現在の事業用口座の使い分けと、預金保護制度(ペイオフ)の壁

これまで地銀と信金の2つの口座でうまく回してきたのですが、お店の状況が変わるにつれて、少し気になる点が出てきました。
地銀と信金。2つの口座で回してきたこれまでの事業資金
これまでは、支払いの目的や入金のルートに合わせて、地銀と信金の口座をなんとなく使い分けていれば大きな問題はありませんでした。
どちらの金融機関も長くお付き合いさせていただいており、信頼しています。
ただ、日々の実務の中で、それぞれの口座にプールされる現金の額が少しずつ大きくなってきたことが、今回の見直しのきっかけです。
月の仕入れが1500万円になることも。1000万円の「上限」を意識し始めた理由
ご存じの方も多いと思いますが、万が一銀行が破綻した際、預金保護制度(ペイオフ)で守られるのは「1口座につき元本1000万円までとその利息」です。
うちの店の場合、仕入れが重なる時期だと、月に1500万円ほどの支払いが発生することがあります。
そのため、入金が重なるタイミングなどでは、どちらの口座も預金保護の上限である1000万円を大きく超える金額が一時的に入っている状態になっていました。
ゆうちょ銀行の口座を新設した理由と、決済用口座を選ばなかったワケ

昨年ごろまでは、残高が1000万円前後で推移することが多かったのですが、最近では口座の残高が2000万円を超える日も珍しくなくなってきました。
残高が2000万円を超える日も。リスクを避けるための「3つ目の選択」
もしこの状態で金融機関に万が一のことがあったら、保護されない金額がかなり高額になってしまいます。
「流石に何か対策を打っておかないとまずいな」と考え、今回新たに「ゆうちょ銀行」の口座を開設することにしました。
上限を超えてしまいそうな部分をこの新しい口座に移動させることで、ひとまずは安心して日々の業務に集中できるようになりました。
金利が上がってきた今だからこそ、利息のつかない「決済用口座」は選ばない
実は、既存の口座を「全額保護してもらえる決済用口座」に切り替えるという方法も検討しました。
これなら口座を増やさずに済みますが、デメリットとして金利が一切付かなくなってしまいます。
以前のような超低金利の時代ならそれでも良かったのですが、最近は金利も少しずつ高くなってきています。
そう考えると、わざわざ金利をゼロにしてしまう決済用口座にするメリットは薄いな、と判断しました。
これからの資金の置き場所。さらなる口座分散か、投資信託か

ひとまず今回のゆうちょ銀行で当面の引っかかりは解消できましたが、これからも状況は変わっていくはずです。
預金が増えれば、さらに別の銀行口座を増やすというやり方
今後、さらに事業資金に余裕ができて預金が増えてきたら、今回と同じようにまた別の銀行口座を新設して、1000万円ずつ小分けにしていくのが一番シンプルなやり方だと思っています。
少し管理の手間は増えますが、確実に元本が守られるという安心感には代えられません。
地道ですが、確実にお守りを増やしていく感覚です。
証券口座を活用し、投資信託として資金を保有する選択肢
もうひとつの方法として、ただ銀行に預けておくだけでなく、証券口座に資金を移して投資信託を購入するというやり方も考えています。
もちろん投資なので相場が悪ければ一時的にマイナスになるリスクもありますし、本業が不調で急に現金が必要になったときに株価が暴落していたら、「やらなきゃよかった」と後悔するかもしれません。
ただ、現金のまま寝かせておくよりは、将来的に大きく育つ可能性もあるため、非常に悩ましいところです。
事業の安定に合わせて、お金の守り方もアップデートしていく

今回の件は、いわば「幸せな悩み」ではありますが、お店をより長く、盤石な状態に保つためには避けて通れない大切な作業です。
どの方法が一番自分の店に合っているのか、現預金と運用のバランスをどうしていくべきか。
これからも焦らず、時代の変化や金利の動きを見ながら、じっくりと考えて体制を整えていきたいと思います。
商売人のセンス【セレクトショップ運営日記】
よく「あの人は商売のセンスがある」なんて言われますよね。 でも、その「センス」という言葉を曖昧なままにしておくのは、経営者にとって非常にもったいないことだと思っています。 長年この業界で店をやってきて確信しているのは、商売におけるセンスの正体とは「儲かっている理由を正確に見抜く目」に他ならないということです。 儲かっている店には、必ず儲かっている理由があります。 その仕組みを解剖し、良いところを学び、自店に反映させていく。 今回は、そんな私が大切にしている「他店舗を見極める目」についてお話しします。 商売 ...
リスク分散のため銀行口座を増やしました。【セレクトショップ運営日記】
今回の運営日記は、お店の裏方のお話、特に「お金の管理」についてです。 私が運営しているセレクトショップでは、これまで主に2つの銀行口座を使ってやり取りをしていました。 ひとつは地方銀行の口座で、一部のECサイトの売掛金回収や、家賃・仕入れなどの経費支払用。 もうひとつは信用金庫の口座で、こちらも売掛金の回収と、税金や人件費の支払いに使っています。 どちらも事業用の普通の口座なのですが、最近、手元の資金のバランスを見て「そろそろ対策をしないといけないな」と思うことがあり、新しく口座をひとつ増やすことにしまし ...
事業への再投資か、投資信託による資産運用か。【セレクトショップ運営日記】
事業を長年続けてきて、今、一つの節目に立っていると感じます。 おかげさまで無借金経営となり、運転資金にも十分な余裕が生まれました。 もし今この瞬間に暖簾を下ろしたとしても、自己破産を心配するような状況ではありません。 しかし、経営者として立ち止まるわけにはいきません。 この「使い道のない余剰資金」をどう動かすことが、自分と家族、そして事業の未来を最も盤石にするのか。 今回は、事業への再投資と投資信託という二つの選択肢の間で揺れる、現在の私の思考を整理してみたいと思います。 無借金経営と「使い道のない運転資 ...
客を選ぶ【セレクトショップ運営日記】
「どんなお客様にも平等に、最高の接客を」。 一見正論に聞こえるこの言葉は、私たちのような小規模なセレクトショップにとっては、時に事業を蝕む「毒」になります。 大手と同じ体力がない私たちが、すべてのお客様のご要望に応えようとすれば、本来使うべき「事業を伸ばすための時間」が削り取られてしまうからです。 私が商売を続けてきて確信しているのは、店側には「客を選ぶ権利」があるということです。 今回は、なぜ私たちが「客を選ぶ」必要があるのか、そしてそれが結果としてどのように店を守ることになるのか、その本質的な理由につ ...
業績悪化への懸念【セレクトショップ運営日記】
事業を続けていると、不思議な感覚に陥ることがあります。 赤字で苦しんでいた時期は「黒字になれば悩みは消える」と信じて疑いませんでしたが、いざ安定してみると、当時とは質の違う「漠然とした不安」が押し寄せてくるのです。 未来のことは誰にも分かりませんが、最悪の事態を予測し、覚悟しておくことは経営者の責務でもあります。 今回は、現在の黒字に甘んじることなく、私が日々懸念している「セレクトショップが業績悪化に転落する3つのシナリオ」について、冷静に整理してみました。 絶好調の影で、常に「最悪のシナリオ」を想定する ...
小さいお店は専門店になるしかない【セレクトショップ運営日記】
どんなに情熱があっても、真っ向勝負では絶対に勝てない相手がいます。 それが「大手セレクトショップ」という存在です。 彼らには潤沢な資金があり、最高の立地、圧倒的な知名度、そして膨大な広告予算があります。 私たちのような小さなショップが、彼らと同じやり方をなぞって「そこそこの品揃え」や「一般的なサービス」を提供しても、お客様がわざわざ当店を選ぶ理由はどこにもありません。 小規模店が生き残るために必要なのは、大手と戦うことではなく、大手が「やりたくてもできない領域」を支配することです。 今回は、弱者が強者に勝 ...





