
事業をしている経営者の方、毎月の「月次決算」は出していますか?
私自身、最初の頃は顧問税理士もおらず、決算の2ヶ月前になってようやく会計ソフトと向き合う……という、今思えば恐ろしいやり方をしていました。
しかし、ある時期から顧問税理士をつけ、毎月正確に月次決算を出すように切り替えました。
結果として、今の店があるのはこの「数字と向き合う習慣」のおかげだと言っても過言ではありません。
今回は、なぜ経営者にとって月次決算が欠かせないのか、そして税理士とどう付き合うべきなのかについて、私の経験をお話しします。
なぜ「月次決算」が不可欠なのか

月次決算を出すということは、自分の経営を「他人事」から「自分事」へと引き戻す行為です。
確定申告前の駆け込み入力から脱却して見えたこと
税理士に頼らず、年に一度の確定申告だけを考えていた頃は、自分の店がどれほど利益を出しているのか、あるいは削っているのかすら曖昧でした。
月次で数字を固めるようになって初めて、「先月、なぜ売上が落ちたのか」「なぜ経費がかさんだのか」という原因と結果が、明確な線で繋がるようになりました。
経営者にとって「数字」とは、店を導く羅針盤である
経営とは、先の見えない霧の中を歩くようなものです。
その中で、月次決算という数字は、現在地を指し示す唯一の羅針盤になります。
昨年の同時期と比較し、売上が増えたのか減ったのか。
なぜそうなったのか。
その要因を一つ一つ解明していくことこそが、経営者の本来の仕事です。
月次決算を導入して良かった4つのこと

具体的に、月次決算によって経営がどう改善されたのか、4つのポイントで紹介します。
① 事業の状態がリアルタイムで分かる
数日のタイムラグはありますが、それでも「今、事業がどういう状態にあるか」を把握できるメリットは絶大です。
突発的なトラブルや、仕入れの偏りなど、数字を見れば一目瞭然。
悪い部分を早期に見極め、次の手(対処)を打つ余裕が生まれます。
② キャッシュフローの予測精度が高まる
昨年同時期との比較で、どの程度の現預金が手元に残るのか。
これを把握することは、店舗運営において死活問題です。
漠然とした不安の中で経営するのと、数字に基づいたキャッシュフローの予測を持っているのとでは、精神的な安定感が全く違います。
③ 在庫金額の見える化で「黒字倒産」を防ぐ
特にセレクトショップのような仕入れが中心の商売では、過剰在庫は一番の敵です。
昨対比で在庫が積み上がっていないかを確認し、適正な量を維持する。
これさえできていれば、売上が上がっているのに現金がない「黒字倒産」の可能性を大きく減らせます。
毎月の棚卸しと月次決算はセットで考えるべきです。
④ 決算を見越した「先回り」の節税対策が可能になる
決算の数ヶ月前には、今期の利益がいくらになりそうか、納税額はいくらになりそうかが見えてきます。
利益が予測できれば、節税策にお金を準備することも可能です。
行き当たりばったりの節税ではなく、計画的な経営判断ができるようになるのは、月次決算があってこそです。
顧問税理士をつけるべき「ベストなタイミング」

もちろん、最初から税理士を雇う余裕がない経営者も多いはずです。
むしろ、最初は雇うべきではないとさえ思います。
最初から税理士に頼るな。まずは自分で「自計」せよ
経営者自身が経理を理解していない段階で税理士を頼っても、結局は「言われるがまま」になります。
まずは自分で会計ソフトに入力し、自計化すること。
忙しくなれば必然的に経理を誰かに任せたくなるタイミングが来ます。
その時か、税金の負担が無視できなくなった時が、税理士を雇う適正なタイミングです。
税理士と対等に話せるレベルまで、経営者自身が数字を学ぶ重要性
法人は別として、個人事業主がいきなり税理士をつけても、数字の話が対等にできません。
自分自身が泥臭く経理を経験し、数字の意味を理解して初めて、税理士は最高のパートナーになります。
数字が読めて初めて、経営者は本当の意味で「自分の店」をコントロールできるようになるのです。
数字が読めれば、店はもっと強くなる

月次決算を出さなければ、経営ではなく「お店屋さんごっこ」になってしまいます。
泥臭い作業ですし、忙しい最中に数字と向き合うのは苦痛かもしれません。
しかし、その苦痛の先にある「数字が見える景色」は、経営者にとって何物にも代えがたい武器になります。
まずは自分で数字を作り、読み解く。
その努力が、あなたの店を長く、強く支えてくれるはずです。
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