
こんにちは、EC村長です。
ネット通販で年商1億円を目指す小さな小売店を運営しています。
起業する時は個人事業主と法人設立、どちらが良いのかな?
村長は個人事業主から始めることをお勧めするよ。
その理由を解説していくね!
セレクトショップを開業するときに個人事業主で開業するか、法人設立をして開業をするか迷われる方も多いと思います。
今回はセレクトショップを開業する時に個人事業主と法人どちらが良いかを解説していきます。
セレクトショップを開業したい、個人事業主と法人どちらで開業するか悩んでいる、そういった方に読んでいただきたい内容になっています。
当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。
個人事業主と法人設立の違い

起業する場合は個人事業主か株式会社や合同会社などの法人にするかを選択しなければなりません。
まずは個人事業主と法人設立について簡単に解説します。
個人事業主とは

個人事業主は個人で継続的に事業所得を得ている人を指します。
税務署に『開業届』を提出することで個人事業主になることができます。
『開業届』の提出だけで個人事業主になることができますので時間も費用も掛かりません。
また、『開業届』を提出する際に『青色申告』で申告するか、『白色申告』で申告するかを選ばなければなりません。
セレクトショップを開業するのであれば『青色申告』の方が節税メリットがあるので『青色申告』を選択することをお勧めします。
今はfreeeのようなクラウド会計ソフトもあるから記帳に慣れていない人でも簡単に確定申告できるようになったね!
法人とは

法人は営利法人と非営利法人で分かれます。
セレクトショップで法人を設立する場合は営利法人になり、営利法人には株式会社、合同会社、合資会社、合名会社があります。
株式会社や合同会社にするのが一般的です。
法人を設立する場合は定款と呼ばれる会社のルールを作成し、出資金の準備をして、法務局で登記の申請をします。
株式会社を設立する場合は設立費用で約30万円、合同会社を設立する場合は約7万円程掛かります。
また、赤字でも法人住民税が7万円程度発生することが個人事業主との大きな違いです。
設立費用が高くて、赤字でも法人税が発生するのが特徴だね。
個人事業主について

セレクトショップ開業時に個人事業主で始めるメリットとデメリットについて解説します。
個人事業主のメリット

開業の手続きが簡単
個人事業は開業の手続きが簡単で費用も掛かりません。
先程も解説した通り、税務署に『開業届』を提出することで始めることができます。
所轄の税務署にもよりますが、記帳指導を無料で行っている場合もあります。
無料で税理士さんに指導してもらえる場合もありますので、記帳が不安な場合は開業前に所轄の税務署にお問い合わせしても良いと思います。
申告が簡単
個人事業の確定申告は『青色申告』と『白色申告』のどちらかを選択して確定申告をします。
『青色申告』の方が複式簿記で記帳をしなければいけないので、記帳の作業が発生しますが、慣れれば自分で記帳をすることが可能です。
法人に比べると申告も簡単で個人で確定申告をすることが可能です。
利益が少ない時は税負担が少ない
個人事業主の税金は会社員と同じ超過累進課税制度です。
課税所得金額に対して、所得税と住民税、国民健康保険料、個人事業税が決まります。
利益が少ない場合は税負担は少ない一方で、利益が増えてくると税負担が重くなります。
開業当初は利益が少ないことが予想されますので、まずは個人事業主からスタートすることをお勧めします。
個人事業主のデメリット

社会的信用が劣る
個人事業は社名がなく、店の名前(屋号)だけなので社会的信用が法人に比べると劣ります。
ただ、セレクトショップに関しては、社会的信用がなくともエンドユーザーに影響はありません。
また、今までブランド交渉などで個人事業主だから取引ができないなどは言われたことがありません。
社会的信用が劣るのは事実だと思いますが、売上には影響を感じたことは一度もないので、あまりデメリットではないかもしれません。
融資を受けにくい
個人事業は社会的信用がないので融資を受けにくい場合があります。
特に銀行からの融資は受けにくい印象です。
創業時は日本政策金融公庫などから借入を行うと思います。
一度、借りたことのある金融機関は返済が遅れたり、リスケを行わない限り借換を行うことができるので問題はないですが、付き合いがない金融機関からの融資はできないと思っていた方が良いと思います。
信用金庫は運転資金の借入などを親身に行ってくれる印象です。
個人事業主は日本政策金融公庫と信用金庫で借入を行っていくのが良いと思います。
利益が多い時に税負担が多くなる
個人事業主は利益が多くなると税負担が重くなります。
超過累進課税制度は儲かっている人から沢山の税金を取る制度です。
所得税は課税所得金額の最大45%の負担となります。
住民税は課税所得金額の約10%の負担となり、国民健康保険もさらにプラスで掛かります。
利益が沢山出ると税金の負担が多くなるので、税金が多いと感じた時に法人設立を検討されることをお勧めします。
法人設立について

セレクトショップ開業時に法人設立をするメリットとデメリットについて解説します。
法人設立のメリット

社会的信用が上がる
法人にすると個人事業に比べて社会的信用が上がります。
ただ、前項でも解説しましたがセレクトショップは社会的信用が上がるからといって売上が伸びる訳ではありません。
村長の知る限り、社会的信用はセレクトショップの売上と仕入に関係しないのであまりメリットに感じません。
有限責任になる
個人事業主の場合は事業での責任は全て事業主が負う『無限責任』となります。
経営が悪化し、借入金の返済ができない場合や仕入先への買掛金の支払いを滞納している場合、税金の未納など経営者個人の負債となります。
法人の場合は限られた範囲になりますが、『有限責任』になります。
個人事業主のように代表者が全ての責任を負う必要がありません。
ただし、借入をする場合は法人の代表者が連帯保証人になるので、個人事業主の場合とあまり変わらないような気もします。
節税の幅が広がる
事業が儲かってくると個人事業主ではなく法人にすることで超過累進課税の所得税から法人税になり税負担を軽くすることができます。
また、個人事業主から法人にすることで代表者の給与を経費にできることや、決算期を変更できる点も税負担の軽減が狙えます。
セレクトショップでいうと在庫の金額が少ない時期に決算月を変更することで個人事業主の頃よりも在庫のコントロールがしやすく税金の予測が簡単にできる可能性があります。
法人設立のデメリット

法人設立に費用が掛かる
個人事業主は『開業届』の提出だけで事業を開始できるのに対し、株式会社は設立に約30万円が掛かります。
また、合同会社は約10万円の費用が掛かります。
法人設立に費用がかかることがデメリットです。
社会保険料の負担が増える
法人を設立すると社会保険料の負担が発生します。
社会保険は健康保険。厚生年金保険、介護保険、労災保険、雇用保険の5種類で、支払っている給与の15%~16%を社会保険料として会社が負担することになります。
この社会保険料の負担は金額にするとかなり重く、しっかりと利益が出ていないとかなり厳しい負担となりますので注意が必要です。
事務作業量が増える
法人の経理事務作業は会社法に準拠した方法で行わなければなりません。
法人の会計処理は専門性が高く、経営者個人が確定申告できる範囲を超えているそうです。
その為、税理士さんに記帳や申告作業を依頼する方がほとんどのようです。
どの作業をお願いするかで金額は変わってくると思いますが、税理士さんに依頼する業務が増える傾向にありますので事務作業量と税理士さんに依頼する費用が増えます。
赤字でも法人住民税を支払う
個人事業主は赤字で税金を支払うことはありませんが、法人は赤字でも税金が発生します。
赤字の場合、法人税は発生しませんが、法人住民税は発生します。
赤字の場合でも7万円の税負担が発生するのもデメリットの1つです。
セレクトショップ開業時に法人をお勧めしない理由

セレクトショップ開業時に法人設立をお勧めしない理由を解説します。
法人設立をお勧めしない理由は下記の4点です。
理由1:法人設立で売上は上がらない
セレクトショップという業態の場合は、個人事業主で開業しても法人設立をして開業しても売上は変わりません。
お客様にとって商品を購入する店舗が個人事業主か法人かは関係ないからです。
また、法人でなければ取扱いができないようなブランドは今まで聞いたことがありません。
ジャンルによっては法人でなければ取扱いができないようなブランドもあるかもしれませんが、仕入に著しく影響が出るようなことはないので、仕入から見ても法人で開業するメリットはありません。
理由2:社会保険負担が増える
法人で始めると社会保険料の負担が増えるのもデメリットの1つです。
法人の代表者1人のひとり社長でも社会保険に加入しなければなりません。
支払っている給与の15%~16%が会社負担の社会保険料として納める必要があります。
事業をしっかりと軌道に乗せて計画的に法人化するのが得策だと感じます。
理由3:法人契約の方が高い経費がある
個人事業主の頃は無料で使っていたサービスも法人になると有料化されるサービスがあります。
代表的なのは銀行のインターネットバンキングです。
仕入の買掛金などを支払う際にインターネットバンキングを使用すると思います。
個人事業主の頃は無料で使用できていたものが、法人口座になると月額○○円という費用が発生します。
法人だから安くなる経費は村長が知る限りありません。
無料で使っていたサービスなどに費用がかかるようになる場合もあるので注意が必要です。
理由4:赤字でも法人住民税が掛かる
先程も説明しましたが、赤字の時にも税金が掛かるのが法人です。
創業時は赤字になりやすく、事業を軌道に乗せるために様々なことにチャレンジしていてキャッシュ(現預金)が少ない状態だと思います。
そのキャッシュ(現預金)が少ない時期に税金で更に持っていかれるのは精神的にも苦しいです。
法人だと赤字でも税金の支払い義務が生じるので注意が必要です。
セレクトショップ開業時に個人事業主をお勧めする理由

セレクトショップ開業時に個人事業主をお勧めする理由を解説します。
個人事業主をお勧めする理由は下記の3点です。
理由1:創業当初は赤字になる可能性が高い
創業1年目は店舗取得費や内外装費、什器や備品の購入などで経費が多くなり、顧客数が少ないので売上も少なく赤字になることが予想されます。
個人事業主は青色申告であれば赤字を3年間繰り越すことができます。
法人だと赤字を10年間繰り越すことができますが、経験上3年以内に黒字化ができなければ廃業になる可能性が高いと思います。
創業当初は赤字になる可能性が高いので法人にするメリットはありません。
理由2:儲かってからでないと法人にするメリットがない
法人の最大のメリットは節税です。
税金を気にするようになるのは事業が軌道に乗り、しっかりとした利益を出すことができるようになってからになります。
法人化の目安は所得金額が800万です。
所得金額が800万円を超えるまでは節税メリットがないので法人化する必要がありません。
まずは個人事業主からスタートしてしっかりと事業で利益を上げることを目標にすることをお勧めします。
理由3:法人成りをするときに消費税が2年間免除される
2年前の課税売上高が1000万円を超えると消費税の納税義務が発生します。
個人事業主から法人成りをすると法人としての2年前の課税売上高がないので、個人事業主の頃の消費税の納税義務が免除されます。
法人設立をして最大2年間の消費税の納税が免除されます。
ただし、インボイス制度が始まったので、買い手側がインボイスの登録事業者でないと仕入税額控除の適用が受けられなくなります。
消費税は受け取った消費税と支払った消費税の差額を納税する仕組みですが、インボイスの登録事業者ではない事業者から購入すると支払ったはずの消費税がカウントされず余分に消費税を納税することになります。
その為、領収書などの発行が求められる業種の場合は、インボイス登録をして課税事業者にならなければ客離れに繋がる可能性があります。
個人事業主から始めている場合は年間で納税する消費税額がある程度分かっている状態です。
法人成りをする場合は消費税の納税額とインボイスを登録しないことで減少する売上を天秤にかけてメリットがある方を選ばれるの良いかと思います。
まとめ

今回は、セレクトショップを開業する時に個人事業主と法人どちらが良いかについて解説してきました。
今回の記事のまとめです。
開業の手続きや確定申告は全て自分で行うことができるよ。
利益が少ない時は税金の負担も少ないのが魅力だね。
法人と比べると社会的信用がないから、融資が受けにくいことがあるよ。
また、個人事業主は累進課税制度が適用されるので利益が多い場合は法人に比べると税負担が大きくなるよ。
個人事業主に比べると社会的信用は増すよ。
節税の幅が広がることもメリットだよ。
設立に費用が掛かることや、申告が自分では難しいこと、社会保険料の負担や赤字でも税金を納めるなど、お金の負担が多くなるのがデメリットだよ。
売上と経費、税金のどの方向から考えても個人事業主で開業する方がリスクが少ないね。
開業して1年目はだいたい赤字だよ。
儲かってから法人にするようにしよう!
セレクトショップを開業する際に個人事業主と法人設立のどちらが良いかを解説してきました。
税金だけではない気持ちの部分で法人化する方もいらっしゃると思いますが、利益がしっかりと出る事業でないと経費や税負担が多い場合があります。
総合的に判断して個人にするか法人にするかを検討されることをお勧めします。
セレクトショップの開業については上記記事でまとめています。
ご興味がありましたらご覧ください。
創業1年目から利益が沢山でるようだと法人をお勧めするけど、計画通りにいかないことも多いよ。
村長は個人事業主で開業されることをお勧めします。
以上、村長でした!
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